■プロローグ~
「時代は大きく変わってきています。それは、比喩的に言うならば、古典(近代)数学から現代数学へ、この流れは大きな意味を持っているのです。いまテクノロジーはもちろんのこと、ビジネスモデルの革命が起こっています。現在、あらゆるビジネスがプラットフォームの経済学の視点でとらえることができると言っても過言ではありません。それを現代数学的な発想から分かりやすく説明します。ものごとを全体俯瞰的に捉える、いま私たちが日々苦戦しているイノベーションを導くための方法論に関する有益な議論の場を提供します。」(SKEL facebook より)
■イントロダクション 「グラフ理論」における“マッチング”とは
「プラットフォームについての本質的な議論を行い白熱した議論が展開されました。このプラットフォームの概念は意外と誤解されている場合が多いです。そのため、プラットフォームというビジネスモデルに入る前に、まず、グラフ理論(graph theory)の基本的な事項である2 部グラフ(bipartite graph)の基礎的な内容について述べました。それは、プラットフォームの本質論にとって必須事項であるからです。」(SKEL facebook より)
イントロダクションでは、本日の”プラットフォーム“を考える上で重要なキーワードとなる“マッチング”を手掛かりに、「グラフ理論」から切り込んでいきます。さて数学において最大マッチングあるいは安定マッチングを求めるアルゴリズムが存在するように、ビジネスモデルにおいても最適解を見つける手法を見つける事ができるのでしょうか?
■現代のビジネスモデルにおける“プラットフォーム”
いよいよ現実のビジネスモデルがどう機能し、どう創られていくのかの議論に入ります。まずは参加者もよく知る事例として、ビデオカセットで起こった規格競争、単独の機能より「やり取りできる人数」が最大価値となり、極端なプラットフォームのモデルとなった事例が紹介されます。
今産業に変革が起きている
そして、現代のICT 社会における“プラットフォーム“について、携帯電話業界におけるスマートフォン移行時のOS 競争を例に、その影響力の大きさが示され、伝統的な組織構造をも脅かすビジネスモデルとして認識すべき事が分かります。
■「プラットフォームが世界を食い尽くす」ビジネスモデルの変遷
ようやくプラットフォームをどう捉えるべきか、本題に突入します。現在、20 世紀を支配した“直線的なビジネスモデル”は、21 世紀において従来型の“サプライチェーンの企業価値が低減”し、“ビジネス価値の中核がネットワーク“になりつつあります。“プラットフォーム”は“ただのツールではなく”ビジネスモデルとしての構造に注目すべきとの理解に至ります。
■プラットフォームにおける2つのタイプ
クライマックスのこのパートでは、既存のプラットフォームが2つのタイプに分けて分析する事でその強みを理解するヒントとなる事が議論されました。
「いま、プラットフォームを制する者は経済を制するといっても過言ではないでしょう。」
さいごに、今回のセッションの印象をイラスト化してみました。
さいごに、今回のセッションの印象をイラスト化してみました。
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イラスト: YUKO ISODA
我々は、船長である椎塚先生に率いられ、宝(ゴール)を目指して冒険に出かけます。船長は地図を片手に、いくつもの困難を乗り越えつつ、我々を宝(ゴール)まで案内します。途中、見えなかった地形がどんどん明らかにされ、ついに宝(ゴール)にたどり着くといったイメージでしょうか?
途中、様々な思いがけないルートへと案内されますが、実はゴールへの最短ルートだった事が分かります。
余談ですが、今回は、椎塚先生の計算されつくした地図によって、時間内にゴールにたどりつく事ができました。