アフェクティブイノベーション協会

aiCafe

ai Cafeとは、協会理事による、それぞれ個別にテーマを設けた勉強会です。
AIA理事による、それぞれ個別にテーマを設けた勉強会です。 テーマに対する発表と参加者による活発な意見交換が特徴です。




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SKELセミナー
日時 :2019 年5 月23 日(木)
    19:00(開場 18:30) ~ 21:00
場所 :九州大学サテライトオフィス(有楽町)
講師 :椎塚久雄(SKEL)
テーマ:アフェクティブイノベーション XV(3)
    チェリー・ピッキングの落とし穴
    ー SDGsの本当の理解はここから ー
 今宵(5/23)のSKELセミナーのテーマは「チェリー・ピッキングの落とし穴」です。
これは都合の良い例ばかりを持ち出して持論を強化する人がいたら、
都合の悪い例を隠していないか注意する必要があります。
この発端は、「本来CSRはCSVを包含」ということに私は共感したのです。
SDGsとCSRは同軸であること、SGDsとCSRはその本質を理解すれば、
実は同軸であって大きな重なりが見えてきます。
SDGs達成のための企業の役割を考えることは、社会における企業の存在意義を考えることであり、
CSR経営を考えることであると思います。
企業経営は、社会・環境への要請の高まり、ICTの進化、グローバル化の深化など
内外の激しい変化の中で革新的な対応が求められています。
ESG、すなわち、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)への配慮を企業に対し求める
様々な関係者の動きが世界的に強まっています。特に、投資家からのESG投資が加速してきているようです。
また、グローバル化するサプライチェーンの中でESG対応を取引相手から求められるほか、
ESGに関心の高いミレニアル世代(1980年以降に生まれた世代)の消費者への対応など、
すべてのステークホルダーの動きに注視が必要です。
2015年は実に「節目」の年であり、
ESGすべての面で2015年に重要な動きがあったと言われています。

Eではパリ協定、EとSとGで持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)、
Gではコーポレートガバナンス・コードの適用です。
そこで、この年は「ESG元年」であると言ってもよいのです。
持続可能性を理解し経営に入れ込まなければ「齟齬」をきたす「持続可能性新時代」の幕開けであり、
潮目が大きく変わったと見ることができます。
この激変の中で、企業経営にとって指針になりうる国際的な共通言語が望まれたのです。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、
2030年を目標年次とする持続可能性の共通言語として活用することができるということです。
これをうまく活用すれば、ぎりぎり2020年の東京五輪・パラリンピック(以下、「五輪」と略す)に間に合い、
2025年の万国博覧会の大阪・関西招致構想にもつながるというわけです。
五輪や万博ではSDGsを念頭において調達、イベント運営のルールが策定されていくからです。
そして、五輪後にSDGsの目標年次2030年を目指していくことになるわけです。
このようなタイムラインの「締め切り効果」も活かして、SDGsの達成を目指す。
2018年はSDGs実装元年とすべき年であったのです。

 なぜいまSDGsか?それは「持続可能性新時代の共通言語」であるからです。
ISO26000やCSVを深めるうえでも役立ち、
変化の激しい国際情勢の中で企業の中長期的な成長戦略を描く上で国際的な共通言語があると心強いわけです。
それがSDGsである!SDGsは2015年9月の国連サミットで採択された
「持続可能な開発のための2030アジェンダ ―我々の世界を変革する―」に記載された2030年までの国際目標です。
その特色は、地球上の誰一人として取り残さないとの誓いのもとで、途上国、先進国を問わず取り組み、
政府等のみならず企業の役割も重視しています。ユニバーサル(普遍的)なもので、持続可能な社会づくりのための「共通言語」といえるのです。

 このように、SDGsを考えるときにはCSRは必要不可欠です。
もちろんCSVは大切ですが、それはCSRの部分集合と考えるのが妥当ではないでしょうか。