アフェクティブイノベーション協会

aiCafe

ai Cafeとは、協会理事による、それぞれ個別にテーマを設けた勉強会です。
AIA理事による、それぞれ個別にテーマを設けた勉強会です。 テーマに対する発表と参加者による活発な意見交換が特徴です。




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SKELセミナー
日時 :2019 年7 月25 日(木)
    19:00(開場 18:30) ~ 21:00
場所 :九州大学サテライトオフィス(有楽町)
講師 :椎塚久雄(SKEL)
テーマ:アフェクティブイノベーション XVI(2)
    戦略的イノベーションマネジメント
    ー 感性イノベーションへの正しい取り組み方とその理解 ー
 今宵(7/25)のSKELセミナーは、イノベーションマネジメントに関する話題を提供し、
参加者の活発なディスカッションで大変盛り上がりました。
まず、イノベーションは
「さあ、イノベーションを起こすぞ!」と言って起こせるものではないと言うことです。

 イノベーションで最も大事なことは、「失敗を恐れずに挑戦できる環境にあるか」ということです。
このことはとっても重要なことですが、なかなか現実にはそれが行われていないということがあります。
「正解を出す力」にもはや価値はないと言われています。
つまり、現状改良型の解を追求している限り、そこには価値がないと言うことです。

 企業の現場の方々の生の声を聞いていると、会社はイノベーションを標榜しているにもかかわらず、
現時的な環境はイノベーションから乖離していることがよくあります。

 感性イノベーションについては、感性だけが単独に存在するのではなく、
「プロダクトイノベーション」、「プロセスイノベーション」、
「マーケティングイノベーション」、「サプライチェーンイノベーション」、
「組織イノベーション」、そして「感性イノベーション」があるわけです。

ですから、これらがそれぞれ相互に関係しながら、企業文化の中で自由な発想のもとにイノベーションが育まれていくわけです。

 サービス経済の誕生によって、状況が変わってきています。必要なものをほとんど手に入れてしまうと、
人は「可処分所得」の多くをサービスに費やすようになります。
つまり、無形の特質が重視されるようになる傾向があると言われています。

 企業が販売する商品は必須のものではなくなり、機能ではなく
「ステータス」や「所有」することに対する誇り、珍しさ等の無形の特質が重視されるようになってきたということです。
商品そのものは必須のものではなくなりつつあるのです。
また、ネットワーク化し、相互依存する複雑化した経済では、
あいまいで不確実かつ競争の激しい状況が生み出されています。

 企業には、環境変化に素早く対応してリスクを解消するための柔軟さが求められています。
複雑性はさらに別の複雑性を生むことにもなります。
変化の激しい環境に対してある企業が適応したとすると、
それに追従していくために、他の企業も適応を迫られることになります。
つまり走らなければ取り残されることになるのです。

 イノベーションは推論からはじまると言っても過言ではありません。
偶然の発見を「偶然の発見だ!」としてそのままにしておくのは、
科学としての発展の可能性の芽を摘んでしまうことになるのです。
そこで、重要となるのが「推論」の考え方です。
推論という視点に立った場合に明確に認識しなければならないことは、
それが「順方向推論」なのか、あるいは「逆方向推論」なのか、ということです。
従って、これらのことからマネジャーは、
常に逆方向の推論の視点から全体を見なければならないわけで、つまり
「得られるであろう」結果から原因を推論しなければならないのです。
重要なことは、演繹的・帰納的発想とアブダクション(回遊)的発想が合流する場において、
いわゆる「共鳴場」が発生し、
そこからイノベーションが生まれることを、真に理解することだと思います。
実はこれが、感性イノベーションにとって特に重要になってくるのです。

 今回提案した、「イノベーション・マネジメント・ハニカム」において中心になっているのが提案力です。
成績が優秀であることよりも、「提案力」を重視して評価することが求められるのです。
同時に、私が今回提案した、「Min-Max戦略でアイデアの独創性を考える」ことについては、
今後継続的に議論を進めてまいりたいと考えています。